最近の Windows Update のトラブルで思うこと 例 : KB3081424 , KB3080149 , KB3087040 , KB3035583 , KB3088195 等々

最近の Windows Update のトラブルで思うこと

Windows Updateのダウンロードやインストールを通常では制限の出来ない “Windows 10” が無償配布(Windows 7 , 8 系)、有償販売され始めてから、三ヶ月が過ぎようとしています。Windows 10を搭載したメーカー製のPCも販売が始まってます。この三ヶ月を Windows Updateの観点から振り返ってみます。

Microsoftは、” Windows 10は自動(強制)でWindows Updateが適用されます。ユーザーには、常に最新の環境とセキュリティが提供されます ” と自信満々に発表しました。ところが蓋を開けてみると、不具合が連発しています。MicrosoftはAppleのようなビジネスモデルとOSの更新を模倣しようとしているようですが、Windows PCは千差万別の環境で稼動しています。それがWindowsの良いところでも有り、ここまで普及している理由だと思います。そもそもハードからOSまで一貫して(言い換えればユーザーに選択の余地の無い)Mac OSやiOSと比べること自体が、そしてモデルを模倣しようとすること自体が間違いだと思います。

ここ三ヶ月ほどのWindows OSの状況をWindows Updateの観点から推測すると、MicrosoftとWindows 7 , 8 ,10のOSが今後どのような方向に進むのか少しだけ片鱗が見えるような気がします。果たしてどうなって行くのか見守りたいと思います。

KB3081424

一番印象に残った不具合は、世界中を駆け巡った、Windows 10 の自動更新による ” 無限再起動ループ ” です。Windows 10では、自動更新が強制のため、” Windows Update -> 失敗 -> クラッシュ -> 再起動 -> Windows Update -> 失敗…以下続く “となりPCが使い物にならなくなるという恐ろしい不具合でした。

参考資料 : Cumulative Update for Windows 10 for x64-based Systems (KB3081424) FAILED and took forever to uninstall

KB3080149

KB3080149では、実質的な被害や不具合は報告されていません。問題は、一切の説明も無くMicrosoftが説明内容を書き換えてしまった事です。こちらでは魚拓を取ってませんでしたが、”伝道師日記さん”がサイトにSSを保存してくれていました。誰にでも間違いはあります。ただ、一言訂正した旨を記載すればいいのです。どうもネット社会にはそのような常識が通じなくなって来ているような気がします。某大手ポータルサイトなどは、あれほどの大会社ですら、問い合わせ先電話番号も公開しておりません。MicrosoftはWindows OSは有償であり、正規に購入したユーザーに対する情報公開の責任があると思います。

Windows Update KB3075249 , KB3080149 検証 List 更新 22 Aug. 2015

伝道師日記: 【KB3080149】実はこれもあまり関係ないかも・・・・

KB3087040

Flash Player 19.0.0.185の更新です。Windows 10ではかなりの機体でエラーとなりました。Flashについては、ゼロデイの脆弱性の更新であり、セキュリティ上あってはならないエラーだと思います。その後、Microsoftが改良版に差し替えたようですが、こちらではOff-lineで更新してしまいました。

Windows Update KB3087040 エラー ( Error 0x80004005 ) on Windows 10

KB3035583

Windows10への更新アプリをインストールするものです。(GWX = Get Windows 10 app) 12 Sep. 2015の時点では、MicrosoftのKBから一旦削除されてました。Windows8に推奨で再配布されました。Windows7では確認されていません。MicrosoftもWindows 10の宣伝に必死になるのはかまいませんが、正常に稼動している機体に、余計な更新を配布しないで頂きたいと思います。特に業務用のPCでは動作確認も済んでいないOSにアップグレードなどする人は皆無だと思います。

たちの悪い事は、Windows Updateには”オプション”と”重要”のカテゴリーしかありません。重要の中に”推奨”が紛れ込んでいても見分けはつきません。(重要のカテゴリーに”推奨”と”重要”の更新が含まれる)詳細をコピーして確認するしか術はないのです。ここまでくると”悪質”であると断言できます。

Microsoftも、まずWindows 10の安定化とデザイン(フォント他、多数)の改良に注力するべきです。良いOSと認められれば、おのずと乗換えが進むと思います。CIEPへの参加にしても、有償でテスターを募集し、テスターには試験的にソフトを無償配布し、環境等を詳しく調べてエラーと付き合わせれば、Windows 10のシェアは自然に増加していくと思います。

注意 !! Windows 8 Update KB3035583 再配布 on 06 Oct. 2015

KB3088195

Lenovo PC , Windows 8 / 8.1 , Lenovo USB Blocker version 1.0.0.37 を使用している環境に特有の不具合のようです。これについては、責任云々よりも運用側で予防措置が取れないものか現在検討中です。ユーザーにも責任はありませんし、重要なセキュリティ上の更新ですのでMicrosoftにも瑕疵は無いと思います。ただ特定の環境では不具合が起こることがあると言う事実を、Issueとしてあげておきます。

KB3088195 BSOD エラー on Lenovo PC

今日までのまとめ on 26 Oct. 2015

Windows 10に関しては、未だ実用的(業務用途 : 事務作業、CAD、設計、その他)に使えるまでの完成度に至ってないと思います。Windows Updateの強制で度々不具合を起こしていることから考えても、セキュリティ的に問題があると思うところです。またフォントや設定画面の可読性も劣ります。この点を改良し、良いところは改良を加えて末永く使えるOSに育ててくれるようMicrosoft社に期待しております。Windows 7 , Windows 8.1 に関しては、十分使いやすいOSだと思います。ただMicrosoft社が、Windows 10への更新広告や、Telemetry (遠隔診断)の配布の企てを Windows Updateを通じて配信する事を続ける限り安心は出来ません。本来、改良やバグフィックス、セキュリティの強化のための更新が、このために躊躇されるようになればセキュリティ上で本末転倒です。安定したシステムを保守するために、今後も注意深く見守りたいと思っています。

Issued by Volitional Engineering
( winveg.com ) on 26 Oct. 2015

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